仏像フィギュアのイSム

イSムの仏像フィギュアに対する≪こだわり≫

仏像フィギュアの素材

重厚な趣きと繊細な
表情を生み出す素材-ポリストーン-
素材への追求もイSムならでは。 イSムの仏像は、「ポリストーン」と呼ばれる素材を使用。 石粉と合成樹脂を混ぜ合わせ、常温で固めることから「コールドキャスト製法」とも呼ばれる。 石の重量感と細かい部分の優れた表現力を兼ね備えた、謂わば究極の素材である。 その時の気温や湿度、または使用部位によって石粉と樹脂の配合を変え、より丈夫な、そしてより細密なパーツを生み出してゆく。

仏像フィギュアの製法


原型製作はすべてのクオリティを決めるカギとなる第一歩。 繊細で美しいその姿を再現するため、イSム専属の原型師が魂を込めて造り上げる。 一体の原型が完成するまでに費やされる時間はおよそ二ヶ月。 なかでも原型師が最も神経をとがらせるのが、その顔の表情。 目のたまの大きさが少し違うだけでも像の表情はがらりと変わってしまう。 緻密な計算と経験に基づく技術で、納得のいくまで作り込む。 仏像に対する理解と想いの深いイSムだからこそつくり得る、「本物」の造型。


型抜きには、再現力に劣る金型を使 用せず、細かい表現力に優れた シリコン型を使用。やわらかい素材だけ にその取り扱いも難しく、粘土原型から シリコン型を起こすのにも技術が問われ る。金型とは違い、ひとつの型から30個 ほどしか生産することができないものも ある、大量生産とは程遠い「手作業」の 現場である。像の造型が複雑であればあ るほど必要なパーツ数は多くなり、例え ば「イSム 吉祥天」では一体につき30 を超えるパーツを作らなければならない。 そのひとつひとつを丁寧にカタチにして ゆく。


磨きもまた欠かせない大切な工程。 シリコンの型から作り出されたひとつひとつのパーツは、そのままでは使うことができない 。磨きの様々な工程を経て初めて組立てを開始することができる。 細かなパーツひとつひとつを丁寧に磨きあげる、この工程にかける手間ひまが完成した商品のクオリティを左右する。 細かな気泡やキズもすべてひとつずつこの工程で修正し完全な状態に仕上げる。


彩色は全ての中で最も手間ひまのかかる工程。 ひとくちに彩色と言っても、アクリル顔料からクリアオイル 、更には金箔まで多種多様な表現方法を用い1000年以上にも及ぶ像の歴史を再現してゆく。 特に像の出来の決定的ポイントとなる「眼」の彩色は非常に高い技術を必要とし、 イSムの職人たちの中でもたった一人が許されている、まさに「聖域」とも呼べる工程である。

イSムの包装

包装までこだわりぬくのがイSム流。 美しく繊細にできあがった像、それをそのままの姿でお客様にお届けするために、考えうる最良の方法で包装をする。 幾度となくテストを繰り返し、包装材の大きさを決定、そこに大切にお納めする。 また、イSムのコンセプトを体現するシックでモダンなパッケージには、 仏像と共にいつまでもお客様の傍に置いていただきたいという私たちの願いを込めた。


お客様の声を製品にしたい―
TanaCOCORO[掌]誕生前夜

かねてより、特に若いお客様から、「イSム・スタンダードモデルではサイズが大きすぎる」、「価格面で手を出しづらい」という声を頂戴していました。なんとかして、そういったお客様のご意見にお応えできないか、という社員たちの思いから、TanaCOCORO[掌]の製品開発はスタートしました。
サイズや価格に対して、お客様に満足いただけるパフォーマンスとは何か。それを実現するにはどうしたらよいか。何度も何度も意見交換をし、製造現場とも綿密な打ち合わせを重ねました。
より身近に、より気軽に仏像を楽しんでいただきたい…。商品コンセプトとして、まず「パーソナルな仏像」というキーワードを設定し、置き場所を選ばず、どのようなシーンにもマッチさせることのできる「インテリア小物」としての製品開発をテーマに設定しました。
しかし、いざそれを形にするとなると、従来では考えつかなかったハードルが生じます。一般に立体物は、小さければ小さいほどつくりが細かくなり、工程も複雑になるのですが、それでは逆に価格が上がってしまいます。クオリティを落とすことなくサイズと価格を下げるという、お客様の声に沿った企画製品の開発のために、イSムの挑戦がはじまりました。
(つづく)


製品に込められた「プライドと挑戦」を
体現するラインナップの決定

「イSムにミニシリーズを」。TanaCOCORO[掌]誕生の道のりは、製品化するアイテムの選定から始まりました。ラインナップは、小さいサイズに凝縮されたハイ・クオリティへのこだわりをしっかりと表現できる、新ラインのデビューにふさわしい像で、なおかつサイズダウンが臨場感や雰囲気に影響を与えないものでなくてはなりません。膨大な数にのぼるリストから候補を絞り込むため、社内では数週間にわたり厳選を重ね、ようやく三種類の仏像の製品化が決定しました。
まずは“仏像界のトップアイドル”「阿修羅」。もはや説明の余地もない、押しも押されもせぬ有名仏ナンバーワンです。三面の微妙な表情と衣の模様の細かさを、TanaCOCORO [掌]のスケールの中でどこまで表現できるかは新しいチャレンジとなりました。
ふたつめは、“微笑みの王”こと「菩薩半跏像」。モナリザやスフィンクスとともに「世界三大微笑」と称されるその優しい佇まいを、イSムのクオリティで身近に置いていただくことは、日常が心豊かにあって欲しいという私たちの願いなのです。
そして最後は、十二神将の中でもダントツ人気、「伐折羅」。控えめな動きの中に込められた猛々しさの表現が、仏像黄金期の造型の醍醐味を存分に感じさせてくれます。 クオリティ第一で製品開発にあたったイSムのポリシーは、“TanaCOCORO[掌]ならでは”のこだわりとなって、三種それぞれに息づいているのです。
(つづく)


TanaCOCORO[掌]に結実した
イSムの情熱とこだわり

厳選に厳選を重ねたアイテムのラインナップが決定すると、いよいよ製品化です。開発コンセプト、製品の選定にかけた思いは、それを代弁するだけのクオリティを持つ製品が出来上がってはじめて結実するのです。
サイズダウンしても、少しの妥協もなく造り上げるには、スタンダードモデルとはまた違ったトライが生じるのも事実です。 例えば工程についてまず造型でいえば、 小さいサイズの中に表現したい臨場感や迫力を込めるために、イSムとまったく同じ造型にするのではなく、デフォルメを強めにするなど工夫しました。
「菩薩半跏像」は、様々な黒のニュアンスを表現したスタンダードモデルをそのままサイズダウンさせたアイテムであるため、光沢の有無の強調がポイントとなりました。「阿修羅」は、プロポーションとともに顔が命です。 三面の表情の描き分けはもちろん、小さな目の視線を合わせる作業には膨大な時間がかかりました。「伐折羅」は、 粘土でできている実物の素材感を表現するため、全体のベースカラーの調色にこだわり、 さらに表面の粘土が欠けはがれた部分を、資料を基に忠実に再現しました。 生産工程からいえば決して簡単に作れるものではなく、むしろ小さい分だけ手間がかかりますが、ようやくリリースに漕ぎつけたTanaCOCORO[掌]を、いよいよお客様の掌にお届けできる運びとなったことは、私たちにとって何よりの喜びであり、また誇りなのです。
(終)

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